高烏谷山  1331.1m  A

山頂からの南アルプス
山頂からの中央アルプス

 伊那市の南東、駒ヶ根市との境界にある信仰対象の山。高烏谷鉱泉の裏手に位置する。駒ヶ根市東伊那の板取地区に高烏谷神社の本宮があり、頂上には奥宮が置かれている。この神社、戦の神様として祭られていて、毎年十月には氏子による「やぶさめ 」の儀が行われる。また、参道は赤松の大木の並木が有名で、県の文化財に指定されていてなかなかに見事。この並木を見てから登るのも良いがここからだと近すぎるし、こちらからの登山道は植物等に見るべき物が無いので高烏谷鉱泉の裏手からの道を紹介する。
 高烏谷鉱泉の横を通る舗装された林道をたどる。雑木林の道なので林道歩きの割には楽しめる。しばらくすると道は二つに分かれるので舗装された道を行く。この分岐を右に行くと、高烏谷神社からの登山道に合流して頂上に行く事もできる。またこの分岐周辺の川の周りは、ニリン草、カタクリ、ヒトリシズカ、チゴユリ、シロバナエンレイ草等の小さな群落が見られる。
 舗装道路を進むとすぐに林道の分岐が現れるので、ここも舗装道路を進む。道路は川を横断しながら山懐に分け入っていく。舗装が切れてしばらく進むと、展望が得られる場所に出る。ここに「高烏谷山登山道」の小さな看板がある。この看板の脇を尾根道に取り付く。左上には頂上を望むことが出来るので張り合いがあるのだが、この辺りは水源涵養保安林であるにもかかわらず雑木林が伐採され、その後に針葉樹が植林されているという気の毒な山になってしまっている。役所も役所だが、地区住民にも意識が無いということだろうか。尾根道を登ると突然林道に飛び出す。登山道はすぐ先にあり看板が立っている。また尾根道をたどり急坂を登ると右から高烏谷神社の道を合わせる。そのまま急登で頂上にたどり着く。頂上には祠が祭られている。ご神木は、長年の風雨と周りの木々が伐採されたため数本を残すのみとなっている。眺望は第一級で、東には南アルプス西には中央アルプスの大障壁。そして足下には伊那谷と天竜の流れを見ることができる。特に春はアルプスの残雪に新緑の緑、そして水の入った田圃が足下にキラキラと輝く様はこの上もない美しさである。ここには避難小屋も有るので何かとありがたい。
 下山は高烏谷神社側に下り林道を戻っても良いし、来た道を帰っても良いが、ちょっと別の所を歩いてから来た道を戻ろうと思う。祠の裏手に、事も有ろうに林道が空いているのだが、その脇に登山道がある。東に進むと雑木林の中を下って行く。広場に飛び出たら左手の林道を進むと登ってきた道に出る。このまま林道を進んでも良いので、山菜でも採りながらの余裕があれば歩いてみても良い。ただし採れるかどうかは???


高烏谷山山頂
 コースタイム : 高烏谷鉱泉 ==(40分)==> 登山道取り付き

               ==(40分)==> 頂上

        頂上 ==(10分)==> 広場 ==(10分)==> 登山道

               ==(30分)==> 高烏谷鉱泉